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宗教儀式としての必要性

2017.09.29

本来、湯灌とは故人のご逝去に際しご家族・ご遺族が集い、たらいに逆さ湯をはり、皆の温かい手できれいに清めるという儀式です。


そして、来世への旅装束を整えてさしあげて、ご冥福を願いながら清らかに送り出してさしあげる儀式です。


また、ただ単にお身体をきれいに清めるというだけでなく、現世での悩み・苦しみや煩悩をも洗い流し、無事成仏できると信じられている精神性の高いしきたりですが、わが国では、高度経済成長期以降の住宅事情や核家族問題、あるいはソフト(心)よりハード(物)と志向が高まる中で、病院でのアルコール綿消毒が湯灌であるといった風潮になってまいりました。


しかし、本来の湯灌とはまったく別のものなのです。

葬儀という宗教儀式で、故人の安らかなる冥福を祈り、送り出すために湯灌は不可欠といえるでしょう。